株主、投資家の皆様におかれましては、平素より当社の事業運営に格別のご高配を賜り厚くお礼を申し上げます。
さて、2024年5月期における世界経済は、インフレの長期化及び欧米諸国での政策金利の引き上げ、それに伴う大幅な為替変動に加え、中国経済の成長鈍化、地政学リスクの高まり等により、世界経済の先行きに不透明感が増し、不安定な状況が継続しています。
エレクトロニクス業界におきましては、スマートフォンやPC等の需要低迷が長引いており、需要の減少に伴い、半導体メーカーにおいては、在庫調整や設備投資を抑制する動きがみられました。現在、半導体関連の需要を中心に調整局面に入っておりますが、AI活用をテーマとした新たな投資による社会のデジタル化推進を背景に、一部の半導体で需要が増加傾向にあります。
このような情勢の中で当社グループは、新型コロナウイルス感染症による影響が収束し、お客様の面談等の制限が解消されたことで、訪問営業による拡販活動を増やしております。開発面では、当社独自のパワー回路技術やデジタル制御技術・通信技術を活かした新製品の開発・市場投入を進めてまいりました。
この結果、2024年5月期の当社グループの経営成績につきましては、部品材料の調達状況が改善したことを受け、受注残の解消に向けた増産対応を継続した結果、売上高は414億37百万円(前年同期比17.5%増)となりました。利益面においては、増産対応に伴い、材料費、外注加工費に加え、人件費及び経費の増加があったものの、売上高の大幅な増加と変動費比率の低下による収益力の上昇、為替による影響等により、経常利益は78億50百万円(同48.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は51億69百万円(同63.5%増)となりました。
2025年5月期につきましては、新型コロナウイルス感染症による影響は収束しましたが、インフレの長期化及び欧米諸国での政策金利の引き上げに伴う為替変動や中国経済の低迷、米中対立、ウクライナ情勢や中東情勢などの地政学リスクの影響もあり、世界経済の景気後退への懸念が深まるなど、予断を許さない状況が続くものと思われます。
当社グループが属するスイッチング電源市場を取り巻く環境について、半導体製造装置関連においては、需要が調整局面に入っておりますが、今後、生成AIを中心とした社会のデジタル化推進、カーボンニュートラルへの関心の高まりによる需要が見込まれ、全体的には緩やかに回復基調に向かうと想定しております。
このような環境の下で、当社グループは経営理念である「品質至上」を核に、品質保証体制強化、サプライチェーン強化による受注変動に強いものづくり体制構築、新製品開発力強化に取り組むとともに、売上拡大に向けて、顧客密着営業活動と新製品拡販活動に注力してまいります。
また、新たな成長機会につなげるため、「LITE-ON TECHNOLOGY CORPORATIONとの業務提携」におけるシナジー効果の追求と施策の実行を重点的に推進してまいります。
株主、投資家の皆様におかれましては、より一層のご支援、ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。