社長メッセージ

株主、投資家の皆様におかれましては、平素より当社の事業運営に格別のご高配を賜り厚くお礼を申し上げます。

 さて、2023年5月期における世界経済は、新型コロナウイルスによる行動制限が緩和され、経済活動が正常化に向かう一方、ロシアのウクライナ侵攻の長期化による資源・エネルギー価格の高騰に加え、世界的なインフレに対する欧米諸国での政策金利の引き上げや、それに伴う大幅な為替変動など、世界経済の先行きに不透明感が増し、景気後退の懸念が深まっております。
 エレクトロニクス業界におきましては、スマートフォンやPCでは市場低迷による半導体需要の減少がみられる一方、社会のデジタル化の進展や脱炭素化を背景に、自動車や産業機器向けの半導体需要が高まっております。一部の半導体等部品の入手難が継続しておりますが、全体的には部品の調達状況は改善しつつあり、顧客の生産は増産基調にあります。

代表取締役社長 斉藤 盛雄

 このような情勢の中で当社グループは、新型コロナウイルスの影響によるお客様への訪問営業の制限が緩和される中、前期から引き続き、電話・メール・ウェブを中心とした拡販活動に注力してまいりました。開発面では、当社独自のパワー回路技術やデジタル制御技術・通信技術を活かした新製品の開発・市場投入を進めてまいりました。前期から継続して新型コロナウイルスの感染予防に努めるとともに、需要急増に対応すべく部品材料の安定調達に注力しております。一部の部品材料において入手難が継続しておりますが、調達状況は改善傾向にあり、当社グループでは増産対応のための製造ライン整備を推進しております。
 この結果、2023年5月期の当社グループの経営成績につきましては、先行手配による需要が調整局面に入ったことにより、受注高は336億67百万円(前年同期比41.1%減)となりましたが、売上高は352億66百万円(同25.6%増)となりました。利益面におきましては、部品材料の値上げによる材料費比率の上昇、人件費及び経費の増加があったものの、売上高の増加による収益増加に加え、為替による影響等により、経常利益は52億73百万円(同76.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は31億62百万円(同66.9%増)となりました。

 2024年5月期につきましては、新型コロナウイルスによる影響が収束しつつあるものの、欧米の金融市場の混乱やインフレに加え、ロシアによるウクライナ侵攻や米中対立といった地政学リスクの影響もあり、世界経済の景気後退への懸念が深まるなど、予断を許さない状況が続くものと思われます。
 当社グループが属するスイッチング電源市場を取り巻く環境について、半導体製造装置関連においては、需要が調整局面に入っておりますが、今後AI、IoT、5G分野の広がりやカーボンニュートラルへの関心の高まりから、回復基調に向かい、合わせてFA関連、医療関連についても堅調に推移するものと想定しております。
 このような環境の下で、当社グループは経営理念である「品質至上」を核に、品質保証体制強化、サプライチェーン強化による受注変動に強いものづくり体制構築、新製品開発力強化に取り組むとともに、売上拡大に向けて、顧客密着営業活動と新製品拡販活動に注力してまいります。

 株主、投資家の皆様におかれましては、より一層のご支援、ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。