製品知識
スイッチング電源の関連規格・規制

(1)IEC規格

国際電気標準会議が作る規格で、この規格そのものでは強制力はないが、各国で制定する強制力のある規格のもとになる場合が多くIEC60950-1、IEC61000などがあります。

(2)輸出貿易管理令(大量破壊兵器等の不拡散のための補完的輸出規制)

1996年9月から輸出貿易管理令別表第一に「大量破壊兵器等の不拡散のための補完的輸出規制(16項)」が導入され、直流電源装置についても大量破壊兵器等の開発・製造等に用いられる恐れがある場合には、経済産業大臣の輸出許可が必要になりました(KNOW規制)。
輸出許可申請については、貨物・技術の範囲、規制対象地域、規制要件の要素で必要かどうか決定されます。
当社では輸出貿易管理令別表第一に掲げる貨物に関する該否についての資料をお出ししておりますので、個別にお問い合わせください。

(3)CEマーク

EU圏内にて販売する機械や電気製品に対して安全や品質管理、環境破壊防止に適合していることを表示するため、CEマーキングが義務づけられました。
この規制の内容はEC指令としていくつも出されており、該当する指令に適合する必要があります。
代表的なEC指令を次に示します。

  1. 機械指令

    工作機械やロボットのような可動部を持つ機械の安全性について規制したものです。
    基本的にEN60950-1の認証を受けたものは対応可能です。
    1995年1月から適用されています。

    対象例

    • 工作機械
    • 射出成型器
    • 自動機
    • 建設機械などの産業用機械
    • 可動部に危険性のある家庭用機械製品

    機械であっても対象外のもの(他の指令が適用され、機械指令対象外となる場合がある)

    • エレベータ装置
    • 動力として人間が関わる機械
    • 患者に直接接触させて使用される医療機械
    • 公園または、遊園地で使用される特殊な装置
    • スチーム
    • ボイラ、水槽および圧力容器

    電源装置としての安全性の指標として、弊社では、EN60950-1、EN50178の認定を受けており、この認定を受けることで機械装置に組み込まれた場合でも、安全性の指標として有効であると考えています。

  2. EMC指令

    EMC指令には、EMI(電磁気妨害)とEMS(電磁気妨害感受性)の2つの要求項目があります。
    電波障害を発生すると見なされる電気・電子部品を有する(含む)装置や設備を含む全ての電気や電子装置が対象となります。
    1996年1月から適用されています。
    以下にEMI、EMSそれぞれの要求を示します。

    EMI

    共通規格
    • EN61000-6-3
      住宅環境で使用される機器に対する規格。
      雑音端子電圧、雑音電界強度、高調波電流などエミッション(外部へ放射)ノイズのレベルを規定しています。
      引用規格として、EN55022、EN61000シリーズなどがあります。
      要求レベルは、EN61000-6-4より厳しくなります。
    • EN61000-6-4
      工業環境で使用される機器に対する規格。
      EN61000-6-3と同様、エミッションノイズのレベルを規定しています。
      引用規格として、EN55011、EN61000シリーズがあります。
    個別規格

    情報処理機器など、製品群、製品ごとに規格を定めています。
    EN55022など、高周波ノイズに関する規格はありますが、実際の製品には、高調波電流など低周波ノイズの要求もあり、EMC指令としては、これらの要求全てを満足する必要があるため、判定として、全ての要求事項を含んでいる共通規格で判断されています。

    EMS

    共通規格
    • EN61000-6-1
      住宅環境で使用される機器に対する規格。
      静電気放電、放射電磁界、ファーストトランジェントバーストなど、外部から機器に加えるノイズレベルと判定基準を定めています。
      住宅環境は、外来からのノイズが小さいということで、工業環境の試験規格よりゆるい要求レベルとなっています。
      引用規格としては、EN61000シリーズなどがあります。
    • EN61000-6-2
      工業環境で使用される機器に対する規格。
      住宅環境同様、各種外来ノイズに対する試験レベルと判定基準を定めています。
      引用規格としては、EN61000シリーズなどがあります。
    個別規格

    EMSについてもEMI同様製品群ごとに個別規格が制定されようとしていますが、現在、EMC指令の規格として正式に発効されている規格はなく、共通規格を適用しています。
    共通規格では、製品によっては厳しすぎる内容もあり、今後は製品の性質に応じた個別規格が制定されていくと考えられます。

    EMC指令の要求内容の区分/体系

  3. 低電圧指令

    低電圧で駆動する製品、具体的にはAC50から1000V、DC75から1500Vの製品が対象となります。
    1997年1月から適用されています。

    対象外製品例

    • 爆発環境で使用される電気装置
    • 放射線、医療目的で使用される電気装置
    • 貨物、客エレベータ用電気部品
    • 電気計測器
    • 家庭用プラグ
    • コンセント
    • フェンスコントローラ
    • 船舶、航空機、鉄道で使用される特定の電機機器

    スイッチング電源は、一般に情報処理機器に使用されることが多いことから、弊社では、第三者認定機関から情報処理機器の安全規格であるEN60950-1規格の認定を受けています。
    また、機械装置関連の安全規格であるEN50178規格の認定も受けています。
    EN60950-1規格の認定を受けることで、他の安全規格への対応も比較的容易であり、CBスキーム制度を活用できるようCBテストレポートも準備しております。
    低電圧指令適合の適合宣言書、TCF(技術構造ファイル)ドキュメントとして、安全規格認定書、設計図面などを準備しておりますので、個別にお問い合わせください。

(4)JEIAJ規格

日本電子機械工業会の直流安定化電源委員会が業界標準として、通則や個別規格、試験法、用語などを定めたもので強制力はありません。

(5)RoHS指令

RoHS指令とは、欧州連合(EU)で廃電気電子機器に関する指令(WEEE)に関して使用される特定有害物質として、水銀[Hg]・カドミウム[Cd]・鉛[Pb]・六価クロム[Cr6+]・ポリ臭化ビフェニール[PBB]・ポリ臭化ジフェニールエーテル[PBDE]の6物質を環境特定有害物質として、2006年7月から使用を制限する指令です。
直流安定化電源・ノイズフィルタなど、鉛フリーをはじめとした特定有害6物質を製品内の最小部品単位で重量含有率を規定しています。

2006年2月で、スイッチング電源・ノイズフィルタ・オプションパーツのRoHS対応が完了いたしました。
RoHS指令対応について」を参照ください。

環境特定有害物質



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