- ノイズフィルタを入れて、雑音端子電圧の対策をしているのですが、
期待した効果が出ないのはなぜ? - ノイズ発生源からのノイズが配線に干渉している事が考えられます。ノイズ発生源と配線を離す、もしくはシールドする(仕切る)ことが有用です。
原因
ノイズ発生源を電源とした時のノイズ干渉
スイッチング電源の内部にあるチョークコイルから発生する磁束が近傍のノイズフィルタの入力側配線に干渉し、期待しているノイズ減衰効果が得られない場合があります。
ノイズ干渉事例
解決策
解決策1干渉してるケーブルを離す
スイッチング電源からノイズフィルタの入力側配線を離して配置することでノイズフィルタの期待効果は高まります。
対策事例-1
ポイント
ノイズ発生源は、スイッチング電源やモータドライバなど様々なものがあります。
それらのノイズ発生源から配線を離すことが重要です。
解決策2干渉箇所をシールドする(仕切る)
お客様の環境上「離す」ことができないことがあります。その場合はシールドすることを検討します。シールドは2種類あります。「発生源シールド」と「配線シールド」です。本事例は、電源にケースカバーを取り付けた「発生源シールド」事例となります。
注意
電源によっては、ケースカバーを取りつけられない商品があります。また、ケースカバーを取り付ける場合は電源の出力ディレーティングが必要になります。
対策事例-2
ポイント
- ①シールドする場合、シールド電位を安定電位に落とす。
- ②シールドすることによる悪影響(熱、コスト他)を評価して対策を決定する。
解説
上記事例を解説します。
解説1チョークコイルからの磁束が配線に干渉
今回の事例では、チョークコイルからの磁束が配線に干渉していました。磁束が鎖交したことにより、誘導電圧が発生し余分なノイズを測定しています。これが期待効果を発揮していない理由です。
解説2チョークコイルからの磁束が干渉しないように十分遠い場所に
配線とノイズフィルタを移動
1つめの対策として考えられるのは、磁束が干渉しないようにノイズ発生源のスイッチング電源と配線の距離を離すことです。これにより誘導電圧が小さくなり、余分な雑音端子電圧を減らすことができました。
解説3スイッチング電源内部からの磁束を外部に漏れないようにケースカバーによるシールド
2つめの対策として考えられるのは、電源内部からの磁束が外部に漏れないよう、シールドする(仕切る)ことです。
シールドにより漏れ磁束が減ったため誘導電圧も小さくなり、余分な雑音端子電圧を減らすことができました。
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